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「カフェは、いつだって、
社会変革と創造の場だった!」
フランス革命の闘士も、未来派の芸術家も、みんなカフェに集った。
いつの時代も、そこは、社会変革と創造の場だった。(後略)
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とノンフィクション作家の島村菜津さんが『スローなカフェのつくりかた
暮らしをかえる、世界がかわる』のカバー帯に寄せてくれています。
今後私たちのカフェ、スローコーヒー八柱店は「希望のある未来が想像され、
創造される場」にしていきたいと思います。
スローコーヒーは、「フェアトレード」「オーガニック」のコーヒー豆のみを
自社で焙煎し、カフェやレストランや、オーガニック・ショップやスーパー
などに卸売りする会社として2000年の7月にスタートしました。
当時は食の安全や添加物の問題などへの関心が高まってきた時代でもありました。
背景としては、「安全・安心=心の豊かさ」よりも「効率=物質的な豊かさ」を
最優先とする、私たちのライフスタイルが生みだした様々な弊害(農薬被害や
遺伝子組み換えの問題など)があったと思います。
それらの多くは長い時間をかけてシステム化されてきたので、すぐには転換が
むずかしいコトばかりで、私たちも【いそがしい日本人のライフスタイルのなか
でも、まずはおいしいコーヒーでホッと一息くつろいでもらうことからはじめよう。すべてはそこからはじまる】と取組んできました。
そうして10年という月日がながれ、2011年3月11日、私たちが体験したことのない
出来事が起こりました。
安全と思っていた現代のエネルギーのシステムが破たんしました、カンタンに。
しかも「あっ」という間に。
経験したことのない規模の地震、津波という自然災害、そこから引き起こされた
原発事故、
もれ出した放射能という絶望。
3ヵ月経った今日でも福島の原子力発電所からは放射性物質がもれ出していて、
収束の見通しが立っていません。
3.11の前と後では、この世界は「すっかり」変わってしまったと言われています。
私たちも今までのように【おいしいコーヒーでホッと一息くつろいでもらう】
だけではおいつかない事態になってしまったと感じています。
毎日のコーヒーを淹れる水でさえ、安全かどうかわからなくなってしまったから。
それでも【おいしいコーヒーでホッと一息くつろいでもらうコトからはじめよう】
という私たちのメッセージは変わりません。
ただし、今後は【ホッと一息】からもう一歩進めて【希望、笑いがうまれる場】
【私たち人間の本当のしあわせとは?を問いかけていく場所】にしていきたいと
思っています。
私たちのカフェ、スローコーヒー八柱店はオープンからまだ1年半あまり。
まだまだ未熟、発展途上です。
しかし、スロー社は7月14日で11周年を迎えます。
この11年間に私たちが学び、実感として経験してきたコトをみなさまと共有する
場所、発信していく場所にしていきます。
それには私たちの小さな力だけでは不十分で、みなさまの力が必要です。
今こそ、ひとりひとりの力を持ちより、世の中をより良い方向へシフトしていく
チャンスだと思っています。
私はだれかが犠牲になる豊かさはもう欲しくありません。
スローコーヒーのホームページには
私たちの「くつろぎの時間」の裏側には
(コーヒー)生産者の「苦痛の時間」。
と書かれています。
3.11以降、(無制限に使ってイイと思われていた)私たちの電力の裏側には、
福島の犠牲があったコトがわかりました。
私はだれかが犠牲になる電力はもう欲しくありません。
松戸市から、原子力発電によるエネルギーではなく、自然エネルギーへの転換
をよびかけたいです。
電気を使いすぎていた私たちのライフスタイルもみつめなおしていきたいです。
まずは"ホットスポットのなかのオアシス"になれるように、カフェでは
【免疫力アップメニュー】や【3.11後の新しいライフスタイル提案】などを
おこなっていきます。
2011年6月16日
スローコーヒー 小澤陽祐